鏡の中の彼女
「してたよ」


答えながら笑ってしまった。


松田が急に変な顔をしたからだ。


「笑わないでくださいよ」


「違うから。おまえの顔に笑っただけだから!」


必死に弁解すると、今度は松田の顔が驚いたような顔になった。


目を丸くして、口をぽかんと開ける。


あれ、なんか禁句言ったかな。



「...なんか、ごめん」


黙ってしまった松田に向かって一言。


そして、もう一度俺は走り始める。





部活が終わると、トレーニングばかりで俺の体はクタクタだった。


ただでさえ体がなまっていたから、筋肉痛もひどい。
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