鏡の中の彼女
知らぬ間に息を止めていたようで、急いで息を吐く。


「...陵?」


潤が俺の隣で心配そうな目を向けている。


俺は笑ってみせる。


「悪ぃ。なんでもない」


と。


潤は納得していないような顔をしていたけど、しばらくすると俺がそれ以上変なことをしなかったので気にするのをやめたようだった。


駅に着くと、電車が来ていた。


2人でダッシュ。


間一髪で間に合うと、潤がいきなり大声で笑い出した。


「やべぇ!これ久しぶりだわ!やっぱ陵最高!」


そして、意味の分からないことを言う。
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