鏡の中の彼女
「そういえばさ、」


今日松田が俺の言った一言で固まったことを潤に話した。


すると、潤の顔も少しだけ、変わった。


「あのさ...俺なんか変なこと言った?」


「あー、うん、えーと...」


潤がいきなり口ごもる。


さっきまでのアホみたいに笑ってる潤とは違う。


なんだか俺が松田にとても悪いことをしてしまったような気がして、潤の言葉を聞くのが嫌だった。


「そりゃ、あれだな。


陵が全然変わってないからだ。」


「どゆこと?」


思わず聞き返すと、潤の顔が少し和らいだ。


俺の緊張も少しずつ解けていく。
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