鏡の中の彼女
委員会が終わって教室に戻ると、ぽつんと机の上に座るショートカットが見えた。



俺たちの帰ってくる音が聞こえたのか、俺が教室に足を踏み入れた途端、ショートカットが振り返った。



「ごめん、待ってなくてよかったのに」



「えーそれ待ってた人に言う?」



「だからごめんってば。じゃ、帰ろ」



「うん」



じゃあな潤、俺たち先帰るわ、と言うとほーいというまたまた適当な返事が返ってきた。



窓際の一番後ろの席にかかっているカバンを取る。



あれ、という声がした。



「陵、席替えした?」



「うん」



「いーなあ、窓際」
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