5.3cm -不良少年とあたし-
「(ヒイイイイキタアアアア)」
「あ、やべ。もう1時間目はじまるし席もどるわ」
「え!?(いつもはぎりぎりまでいるくせに!!)」
「あと1ヶ月でしょ、がんばれ!」
時々どころか今日来たアアア!!!そんな叫びを声に出せるわけもなくただあたしはなるべく右となりを見ないように窓の外ばかりを見続けることにした。(窓際っていうのはラッキー!)すると数分もしないうちに先生がやってきて授業をはじめた。授業がはじまれば野瀬くんだって居眠りとかしちゃうかななんて思ったのにこの人寝ないよ!しかもチラチラと見ていると、
「(目があってしまったー!)」
「・・・・オイ、」
「な、なに、ですか(うおおおお)」
「シャーペンかせ。忘れた」
「しゃ、へ、シャーペン?あ、うん、っどどうぞ」
どもりまくりな自分に涙が出そうになりながらも必死でシャーペンを差し出すと野瀬くんはあたしを少し見てシャーペンを無言で受け取った。
こんな感じが1ヶ月も続くと思うとあたし死んじゃうんじゃないかって本気で思えてきた。