全力投球~諦めたくない夢~
「オダー言うぞー!
気合い入れろ!!」
「はいっ!!」
さあーいよいよだ。主将が大きく息を吸った。
「1番ショート成瀬 「はい!!」」
「2番セカンド有馬 「はいっ!!」」
「3番センター風間 「はいっ」」
「4番キャッチャー井端」
「5番ライト悠 「はい」」
「6番ファースト佐野 「はっはいっ!!」」
「7番レフト奏 「はい」」
「8番サード澤 「はい!!」」
「9番ピッチャー相崎 「はい!!」」
「声出していくぞー!!」
「「おおーーーーー!!!!!」」
ショック…
決勝でナインに入れないなんて…
でも、へこんでるわけにはいかない!
今日の決勝で甲子園が決まるんだ。
それに…
私にとって最後のチャンスになるかもだし。
「柳瀬、山田!!こい!」
主将に呼ばれた。
「なんですか?」
「俺ら2年は最後のチャンスだ。」
そう…
うちの高校は特別クラスの進学率を維持するために3年に進級すると部活禁止とされている。だから2年にとって最後のチャンスになる。
「はい。」
「どうしても甲子園に行って優勝したい。うちの学校にはそれだけの実力がある。
決勝は相崎のボールで進みたいんだ。2人にはつまらない試合になると思うが、見守っていてくれないか?」
「絶対、甲子園決めてくださいよ?」
「山田ー珍しく挑発的だなー。」
「からかわないでください。」
「わかってるよ。絶対決める。」
「両選手集合!!」
審判の響く声。
このグランドで甲子園が決まるんだ。