全力投球~諦めたくない夢~


パーンッ

「ストライクっ!!!」

よしっ!!!
バッターはまだ私のボールについてきてない。

シンはっと・・・
カーブを要求、

カキーン!

「ライトっ!!!」

大きくあがったライトフライ、
シンの声が広いグランドに響く。

ぱし

ワンナウト。

次がサードにヒット。
ワンナウト ランナー一塁・・・

続く4番。

サインを確認して投げようとしたら・・・

「走ったっ!!!!!!」

え、?!

と同時にシンがボールを受けて二塁に送球

「・・・・・・アウト!!!」

長い沈黙の末に出した審判の判定はアウト

あー安心

「シン、ありがと」

「あー。ツーアウト!!!」

そっけないなー・・・
もっと喜べばいいのに・・・

「一咲!!!」

「ん、?」

いきなり創太が話しかける。

「野球はツーアウトからだかんなっ?!
気、抜くなよ??」

「わかってるって!」

当たり前じゃない。
気なんてぬかない。

だって、
だって・・・

あとワンナウトで、甲子園だもん。
小さい頃から夢見た・・・
あの甲子園でプレー出来るんだ・・・

しかも・・・

役者も、舞台も、全部仕組まれたみたいに揃ってる。

甲子園行こう。

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