ダカラ、my girl♥
「・・どうしたの?」

「実は・・。」

他の事は言っても
粟国くんへの依頼の事は言わない。

なぜ困るか?

妹の理香子がオールするのに
このチャンスを逃すはずがないのだ。

そうなったら

2人きりの夜なんて
もし・・ソンナ事になったら困る。

万が一、ホントの万が一・・!

ソンナ事になって・・拒否したりして
気まずくなるのはイヤ。

だって・・私・・
まだまだデブだし!!!

体に癒着しちゃってるこんなお肉を
彼に見られたくない。

第一、付き合ったばかりなのに
ちょっと早い気もするし・・。

はっ・・・・。

私、どこまで考えてんだ!

粟国くんは前カレ・町田とは
違う生物だと思いはするものの・・

こんなコト考えたりして
自惚れてるのかなぁ・・私・・。


「じゃ・・また。」

そう言って
やっぱり普通に帰って行く粟国くん。

見送って家に入ると
台所のテーブルの上にはやっぱり

理香子の「内緒にしといてネ」
っつー内容の、オール宣言書きが。


( 明日の学校、どうするつもり? )

うーん・・当分1人か。憂鬱・・。

作ってくれてある晩御飯をチラリと
見てから二階へ着替えに行った。


「ヒ!」

お風呂上りにリビングで
テレビを着け何気に振り返ったら

画面上に映ってるテレビの中から、
髪の長い、白いネグリジェ?の女が
出てきて恐ろしい目のズームアップ。

まだ夏でもないのに止めてほしい。

トイレに行けなくなるじゃん・・もう。
チャンネルを変えた、まさにその時。

「!?」

フッ・・と、テレビはおろか、
灯りまで落ちた? まさか停電?

二階に上がってベランダから外を見る。

えー!? 街灯まで消えて
辺り一面真っ暗じゃん・・!

隣の旦那さんのボヤき声がする。


「ったく・・おーい、戸締りしとけよ?」

あ・・、ウチもだ・・
台所の窓の鍵、閉めとかなきゃ・・。


ガタン・・・!

( 今の何の音? やだぁ~、もー・・
よりによって1人の時にっ・・!)




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