ダカラ、my girl♥

「抵抗するな・・?」


カスれた小声に
うんっうんっ・・と頷いて見せると
クルリと肩を回転させられて。

アゴを上向きに・・

チュッ。


「・・・・。」

チュッ?

唇にプニュリとゆっくりと触れた
感触に・・・パチ、パチと暗闇の中、
瞬きする私のマナコふたつ。


「不用意に開けるから
こんな目にあうんだよ・・? 」

「あ・・! その声っ!?」

「ふふ、とうとう
頂いちゃった・・ご馳走様。」

「・・・。」


フツフツと・・沸き起こる怒り。

こんなに驚かしといて、
いくら粟国くんでも許せない。


「ア゛~ッッ!!!!!」

「こ、古幸さんっ???」


どこかの女芸人みたいな声をあげ
モウモウ言いながら胸を手の平で叩く。


「ホントに・・、もうっ・・!」

「あぁ・・ゴメン、怖かったんだよね?」


どんなに怖かったか解んないでしょ?
抵抗するなって囁かれた時は

" ・・・される "って、本気で・・!

バシバシと叩かれているのに
彼は抵抗せず、させるだけさせた。

いい加減疲れた頃には
暗闇に目が慣れて彼の困った顔が判る。


「変質者がウロついてるのに、その上
停電なんて心配したんだ・・。」

「・・・グスッ・・だからって・・!」

「・・何で呼んでくれなかったの?」


見下ろす私の髪を撫で上げながら
彼は躊躇いがちに言った。


「ごめんね? 実はお母さんとの会話が
凄ーく、良く聞こえていたんだ。」

「え・・・。」

「だから、そんなに頼りなく
思われてるのかって・・ショックだった。」


なに、この立場逆転の風向きは・・。
今度は私が責められる番ですか?


「そんな事思ってない・・! 」

「じゃあ、一緒に居るね?」

「でもダメ、妹もいないし・・。」

「ほら、やっぱり。」

「フー・・・、・・
じゃ・・・携帯の灯り貸して貰える?」


そうして私は彼にスリッパ置きを
照らして貰うのだった・・。

幾らなんでも停電はそう長くは
続かないだろうし・・。


「制服持って来て良かった♪」


・・・・エ?

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