ダカラ、my girl♥
( ・・長引いているのだろうか? )

明日になれば古幸さんの役目も終わる。
だが、もう五時半を回った。

放課後、図書室を出て、彼女の居る
ミーティング・ルームへと向かう。

「・・・・!」

途中、渡り廊下の下をぞろぞろと出て行く
他校の
見覚えあるジャージ姿の連中にハッとなる。

ミドルのバスケ部と色やデザインが
ほぼ同じなのを知っていたから・・。


「交流試合だったの?」


クラスのバスケ部の男子が
目の前を通りかかってたので訊ねた。


「向こうの都合に合わせたんだって。
こんな機会もそうそうないからってさ。」

「・・・。」


一階、職員室横にある
ミーティング・ルーム前で誰か立ってる。

彼女とジャージ姿の他校の生徒だ。

純日本人なのに目が少し離れてて
いかにも女の子ウケしそうな顔立ちの男。

相変わらず・・だが、マリエさんが僕を
見て驚いたのが何となく解った気がする。


「・・・・やぁ。」

「あ、粟国くん。」


何が、やぁ? ・・白々しい。
少し身を仰け反らしていた。

自分との身長差にこの男も驚いた様だ。

僕はなるだけ感情を出さない様に
何も気づいていない古幸さんの横へ立つ。


「クラブへ入ったんだ?」

「まさか。助っ人さ。」

「フン、そう。じゃ・・もう帰れる?」

「うん、今から行こうと思ってたの。」


相手にされない事が
一番ムカツクんだろうが
そうしない事には此処を立ち去れない。

彼女の情報を与えたくないし、
騙し上手なこの男は
どんな口車を用意しているかも知れない。


「直ぐ追いつくから先行ってて?」

「・・・じゃ、お先に。」


彼女が微笑み、奴に会釈をして去ると
僕は彼に向き直り呆れた溜息を零してる。


「・・可愛いコだね?
君の事を知らないかって話しかけたんだ。」


偶然でなどある筈がない。
彼女か?と聞きもしないし?

イジメや嫌がらせはチミツでネバこい。
下調べしてきたんだろう。


「ストーカーにでもなるつもりか。
・・何に固執する? 何が気に食わない?」



< 109 / 114 >

この作品をシェア

pagetop