ダカラ、my girl♥
「彼にはちゃんと彼女がいたから
僕もすっかり騙されてたんだ。」

初めてそれに気がついたのは
学校でキャンプに行った時だった。

まだ背も低く、
体も出来てなかった僕は

少し背が高い女の子と
間違われる事があるほど細くて。

日射病か、気分が悪いと言って
テントで休んでいたらいつの間にか
眠ってしまってて

「気がついたら・・危なく彼に
服を脱がされそうになってて慌てたよ。」

"僕は病気なんだ、見放さないで"

隙を見せたら襲い掛かるという、
ハルト自身も自分の衝動に抑えが
利かないんだと言って苦しんでた。

それからは2人きりになるのを避け
普通どおり過ごしていてもやはり
溝は埋められなくて。

とうとうある日、
思い切って彼の彼女に相談したんだ。

そしたら彼女も実は
彼の性癖に凄く悩んでいたらしく・・


" 私もう、サドは嫌!
縄も蝋燭もムチもヒールも・・もう嫌よ!"

・・どんだけ? って気もする彼女の告白に
僕は同情した。


「奴は・・女の子を愛せない、
異常なカタチで愛される事だけしか・・。」

「てゆーと・・あの人は・・。」

「真性のMだよ。オマケに隠れゲイだし。」


そうする事でしか愛して貰えない
彼女のストレスは相当なものだった。

彼の目を盗み、
僕に相談しに来る彼女が言った。

"どうして先に粟国くんと
会わなかったのかと思うわ・・。"

これ↑はさすがに
古幸さんには言えないけど。


「いつしか同情は僕の中、
愛情へと変わった気がしていた。
だけど、所詮は人の彼女だったから。」


迂闊にも三人でいる時、
何が切っ掛けだったか・・。

僕の・・密かな彼女への想いを
ハルトが感づいてしまったんだ。


「事もあろうか
彼は自分の彼女を嫉んだ、・・そして。」


最悪の罰をマリエさんに突きつけたのだ。

"側にいて欲しいの"

「彼女の役目は僕を誘惑し、
携帯を切らせ、家に帰さない事だった。」


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