ダカラ、my girl♥
「独り暮らしだったんだ・・。」

恐る恐る、
彼女は後に続き部屋に入って来た。

僕のアパートは直ぐそこだった為、
立ち寄らせたのだった。

テーブルはなく、
籐で編んだ丸いロウ・チェアが二つ
ラグの上に置いてある。

「粟国くん?
ドア、何で開けっ放しに・・?」

「男の部屋に上がるの、心配でしょ?」

「・・・。」

僕の気遣いとはよそに彼女は
もう椅子の座り心地を楽しんでいた。

そう云われて恥ずかしくなったのか
リラックスの姿勢を正している。


「変わってるけどイイネ、この椅子。」

「有難う。それ、お気に入りなんだ。
それより・・これ飲んで。」

「ありがとう・・・。」


部屋を見回してた彼女に
貧血にいいドリンクを渡してから
キッチンに立った。


「そう云えば名前・・よく知ってたね?」

「・・・・同じクラスなんだけど。」


彼女の低いトーンの声に
手を洗ってた僕の手が止まる。

またやってしまった・・・。


「ねえ? 僕、お腹減ってさ・・
コロッケ、一緒に食べない?」

何気に話をそらし、
キッチンでレタスを剥がし始めた。


「実は私・・ダイエット中なの。」


それで油ものを我慢したり
カロリーを気にしたり・・あの買い物か。

なんとなくだけど
間違ったダイエットをしてそうだ。


「ご飯、減らせばいいんじゃない?」



< 12 / 114 >

この作品をシェア

pagetop