ダカラ、my girl♥
「ご馳走さま。」

「・・私もご馳走様。」


二人、腰を上げてキッチンへ。

スポンジを手にすると
彼女は布巾を手にして隣で待った。


「美味しかったね。」

「ウン、凄く美味しかった!」

「・・それでいいんだよ。」


皿を洗っている僕の横、
手伝ってくれる彼女にクスリと笑った。

あまりにスカッと笑うから。


「"美味しかった"って笑って云えるんだ、
無理して青い顔してるよかウンといいよ。」

「・・ほんとにソウ思う?」

「そうじゃなきゃ、一緒にいても
ちっとも楽しくないじゃない・・?」


急に静かになった隣。

予想外の展開に急いで手を拭いてから
彼女の手をそっと除けた。


「・・・泣かなくても。」

「・・・うん・・ずぴっ。」


間に合わせのキッチンペーパーで
覗き込んだ顔に零れる涙を押し潰してく。


「・・ね、無理なダイエットするから
肌までこんなに荒らしちゃってるだろ?」

「・・うん・・・。」


引き出しから小さな瓶を取り出し
指に取った、薄黄色いクリームを

ずっと気になってた
彼女の荒れた頬に摺りこんであげた。

赤い顔をして・・目を瞑ってる。

彼女なりに見返そうと
意地になってたんだろうな。

可愛いじゃないか。

思わず
頭のひとつでも撫でてあげたくなる。


「・・元気だして。これあげるから。」


彼女の手を開かせ、小瓶を握らせた。


「いい匂い・・。有難う・・。」


蜜蝋にハーブか入ってるクリームに
やっと照れた笑顔が戻ってきた。

こんな事で泣き止むなんて子供みたい。


でもそんな単純さが

女の子のいい所でもあるんじゃない・・?




< 14 / 114 >

この作品をシェア

pagetop