ダカラ、my girl♥
チャイムと同時に先生が入って来て
他の子もミイちゃんも慌てて席に戻った。
私の席から粟国くんは二つ向こうの列、
横顔が後ろから見える角度である。
イイ男はどの角度から見ても格好いい。
鼻筋はスッとしてて、
目は涼しげで・・・って・・はっ。
ここから見える限りでも、
周りの女の子、
殆どが彼を方を見ているじゃん!
やっぱり、
私なんかには高嶺の花だよね・・。
その日のお昼休み、
ミイちゃんは放送当番なのでお弁当を
持って放送室へ行ってしまった。
お弁当のフタを開けようかって時に、
男子の一人が私の肩を叩く。
「倉持、町田が呼んでんぞ?」
「え・・・? うん・・。」
廊下に立って、待ってる前彼の後姿。
「ずっと借りてたCD、返そうと思って。」
「あ・・そうなんだ。」
CDはなんの袋にも入っておらず、
三枚のそれはプラスチックのケース、
そのまま。
性格が出ている。
思いやりもなく、
言葉も剥き出しの前カレ。
彼でなければ、心の中でも
こんな悪態はつかなかったと思うけど。
「俺、今朝さ。彼女に、
"ぽっちゃりしたコが好きだったの?"
って、云われて恥ずかしかったぜ。」
「・・・。」
「俺もデブは苦手だって言ったけどな。」
「・・・!」
何よ、今更云う事でもないじゃない。
私は喉の奥に熱くなるものを感じながら
彼に何か言おうとして口を開いた。
・・・すると。
「倉持さあ~ん!!」
「えっっ!?」
クラスの女の子達がクスクス笑ってる声。