ダカラ、my girl♥
「早く帰ってこ来ないと
粟国くんにお弁当食べられちゃうよー!?」

「はっ???」


教室に振り返ると粟国くんが
私の席の前に座って「やぁ。」と
箸でこっちにアイサツしてるではないか。

その、今、口に入り掛けてるのは・・?


「あーっ! それ私の厚焼き卵っ! 」

「って・・あ、おい・・。」


前カレの存在と文句はどこへやら。

慌てて戻って来ると彼は、前の席で
横座りで足を組み、右で頬杖着きながら

勝手に開けた私のお弁当のおかずに
迷い箸の最中だった。

こんなにエレガントに
盗み食い出来るのは彼ぐらいだろう。

既にお弁当箱にはカラ揚げ一個、
卵焼き一個分のスペースが空いてる。


「酷いよー。コレ、イジメぇ?」


「まあまあ、古幸さん。
お弁当は楽しく食べるもんじゃない。
これと交換ってコトでさ。食べよ?」


彼が出した小さなタッパーには、
薄切りレンコンの唐辛子入り、
艶々のキンピラごぼうが入ってる。

渋々、私も席に座った。


「ヘルシーでから揚げよりイイよ。」

「もー・・。信じらんない・・。
じゃ、も、遠慮なく頂きまーす。」


片手にアルミホイルのおにぎり、
左利きのお箸使いでおかずを食べて・・

私の顔を笑って見てた。


「・・美味いでしょ?」

「うん・・美味しい・・。」


おかずを食べられた悔しさで忘れてたけど

これって・・二人でお昼ゴハンだよね・・。

それに気づいた私は
急に恥ずかしくなってカアッと熱くなる。


「きゃー、あたしも混ぜて!」

「あたしも一緒に食べる~ぅっ!!」


・・み、短いドキドキだったな。(涙)

ま、いいや。ちゃんと食べれたし・・。


ん・・・あれ?

私さっきまでナニしてたっけ???



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