ダカラ、my girl♥
「アホガキがまた女相手に
くだらねえ事をやったンだってな。」


江崎文汰<えざき・ぶんた>・・いい名前だ。

彼の背は僕よりやや低く、いい体格。

猿っぽくなくて狼っぽい精悍な顔立ち。

柔らかそうな髪を無理やり立ててる。


「ああ・・。」


こんな男も居たんだ・・。

不敵な面構えで他の連中とは違った。


「目が覚めたのね? じゃ、付き添いの
諸君達っ、そろそろ授業始まるわよ?」


ジャーっとカーテンを開け放つ音と共に
ポニーテールの保健の先生が顔を出す。


「「「 はぁい・・。」」」

「ごめんね、皆。すぐ戻るから。」

「無理すんなよ、じゃあな。」

「うん。・・・古幸さん?」


皆がドアの所に立って待ってるのに

彼女は申し訳なさそうに拳を握って。


「あの、ごめんね・・それと・・
さっきは有難う・・私・・。」

「謝ンないで・・もう大丈夫だから。」


彼女のその拳を解いて、
軽く手を握ってやりながら笑った。

"お昼時間までには戻るよ"

そう小さく言って勝手に"指きり"。


「じゃあ、また後でね・・?」

「うん・・・。」


・・・ぱたん。 パタパタパタ。

皆が行って。スリッパの音が近づく。


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