ダカラ、my girl♥
「・・・・・・!!」


鳥のさえずる声がする。

一階では夜勤から帰ってきた母が
理香子を叱ってる声が聞こえた。

頭上には日差しに反射する
白いレースのカーテン・・


「・・グスっ・・・っひク。」


布団を手に鷲掴んで私、泣いてた。

夢で良かったと云う安堵と

夕べの電話も
夢だったのではないか云う混乱で。


「・・・うっ・・。」


一頻り泣いた顔を手で擦りながら
ゆっくり身を起こすと

枕元の携帯の着歴を確認してほっとする。

それにしても酷く傷つく夢だった。

初めて知った彼の携帯番号。

今やる事でもないのに
その場で登録しておいた。


( どうか、現実になりません様に )


心の中、そう神様にお願いするのだ。



「お早う」


身支度してから下に降りて行くと

母が化粧も落とさないまま
キッチンに立っていた。


「お早う、早く顔洗って食べて。」

「うん」

「おっはよー。」


理香子とすれ違うとフワリ甘い香り。

妹は勉強はダメだが女度は高い。

そう云えば
前カレ・町田も妹を気に入ってた。

粟国くんには云われたくないな。


『妹、すっげー可愛いじゃん』

・・・みたいなコトは。


もう長いこと云われ続けてるから
慣れてる筈なんだけどな・・。


「・・・ブスな顔。」


鏡は嫌い。

イジけた自分をありのまま映すから。



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