ダカラ、my girl♥
翌朝。

乗る電車を早めて学校に到着。

雨上がりの清々しい空気、
私の心だけはドンヨリ沈んでる。

廊下は勿論、教室にも誰もいない。
大きなため息で鞄を下ろしてた。

つい見てしまう粟国くんの席。

せっかく友達になれたのに
こんな事になるなんて。

本当のこと
言えたら楽だろうけど
ミイちゃんを裏切れない。

あの言い訳には怒っただろうな
・・てか、呆れてるかも。

何をやっても長続きしないから
ヤセないんだって・・。

そう思われない様にマシンと
カロリー計算だけは続けようっと。


( 保健の先生、もう来てるかな? )


教室を出て歩いていくと
ドアが開いてたのでほっとした。

「おや、えらく早いじゃない。
座って・・、診てあげるから。」


朝レンに出てるコが怪我したりするから
先生は早めに出てきているらしい。

消毒もし直して
ガーゼも張り替えて貰った。


「お風呂で濡らさないようにね。」

「はーい。」


クラブを終えた子達が教室に戻って行く。
登校してくる生徒も増えていた。


「おはよー。」

「オハヨ・・。」


廊下で会うクラスの女子は
何も変わらなかった。

江崎くんがいるお陰で
ウチのクラスに基本イジメはなく

女の子たちもイジメが
得にならないのを知ってるから。

ふと顔を上げてドキリとする。

教室の前では粟国くんが人待ち顔で
窓辺に背もたれて立っていたのだ。


「古幸さん、おはよう。」


笑顔もない、とりあえず挨拶した
って感じにズキッ・・。

それも仕方ない。
返って都合がいいのかもしれない。


「お早う・・昨日は・・あ・・。」


彼の視線が私を外れた。
隣の教室から出てきたのは・・


「行こう、粟国くん・・!」

「ああ・・。」


町田の彼女はもうヤメたんだ・・?




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