ダカラ、my girl♥
その彼女たちがチラチラと
僕に視線を向けた気がしている。

腕時計を見ると、
そんな時間かと納得もした。

五時半を回っていたのだ。

そういえば
もう他に座ってる者はいない。

じゃ、それは、早く帰れって視線?

僕なりにそう解釈してしまう。


「・・・遅くまでごめんね?」

申し訳なく思って謝ったが

喋り掛けたのがマズカったのか?

全員がまるで過呼吸な様子だ。

此方を向いて
目を丸くしたまま時間が止ま・・


「・・・え?」

・・・・ってる、訳ない。

たった今、
首を傾げることが出来たのだから。


「いいえっ・・・そんなっ。」

「ぜんぜんですっ。」

「ホントにっ。」


・・それは何かの振り付け?

全員が揃って手を交差させてる。
凄いチームワークだし

なんて奥ゆかしい
女の子達なんだろう。


「有難う・・じゃ、また。」

「気をつけて・・!」

「また明日・・!」


気を使わせたのか
それともただの哀れみ?

ドアを閉めて出てきた後でそう思う。

転校してきて一ヶ月。

「友達のいないサミシイ奴」

彼女らの目には
そう映っているのかも知れない。

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