ダカラ、my girl♥
「あッ♡ 」

「素敵・・フゥ・・。」

「イっちゃっ・・う。」


彼のその様子に周りで見ていた
野次馬な女の子たちが
AVみたいなエッチな声を上げてる。

バタ、バタ、と鈍い音と共に。


( 一体どんなハレンチなコトがっ?)


実はドキドキしつつも
恐る恐る片目をパチと開けた。


「・・・布テープ?」

「その通り。ハイ、そのまま?」


イスと私の胴体をグルグル、
ブラウスの上から手首もグルグル巻き。


「・・さ、食べようか?」

「あー、そーしよ。」

「粟国くんのエロ・妖しい表情だけで
倒れちゃった、この子たちはどうする?」

「その内、目ざめるっつの。食べよ。」


さっきまでの芝居掛かった怪しげな
ムードから一転のケロリで
それぞれ、お弁当を広げ出してる。

私はミイちゃんと
唖然と顔を向け合ってハタと気がついた。


「・・て! 何で私だけっ!?」

「「「 嘘ついたから。」」」

「あ・・。」


"そんな事しないよ"

うん・・明らかに避けてたもんね・・。


「・・皆から聞いて僕は怒ってるんだ。
だから、食べないと許さないよ?
解ったらホラ、口開けて・・キンピラ。」


「・・・。」


そう言いながらもやっと笑ってくれた。

その安堵から私は口を開け、ぱく。

脅されてるコトなんかスッカリ忘れて。

私の唇に着いたゴマを爪で取りながら
親みたいな優しい目で噛み終えるの
見守ってんだもん・・。

ごぼう・・美味しい・・。
鶏ささみの西京焼きも。

粟国くんは料理が上手いね。
皆で食べるからよけいかな。

本当に美味しい・・泣きそう。

変なの・・アーン、させられて
まるで誘拐された人扱いなのに

嬉しいなんて、美味しいなんて。


「あたしからもオニギリのゴハン!
割ってあげっから・・ハイ、アーン。」

「三池も早く食べちゃえよ。
何も心配いらねえからさ・・。」


「「 !?  」」


江崎くんの台詞に
私は口をもごもごをストップ、

彼女の方はお弁当を取りに行く
その背中が静止してた。

・・・それどういう意味?




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