ダカラ、my girl♥
「僕たちは友達なんだし
ぶっちゃけ誤解とかって・・。」

僕と古幸さんが付き合っているのなら
それは問題だろう。

だが、嫌われても
理屈的に責められる事はない。

・・と思う。いや、思いたい。

鬼無さんをイスに座らせ、
グラスにお茶を注いだ。

泣き止んだ彼女は
ぼぅっとした様子で視線を落としてる。


「中学の時ね・・あたし、こんな
ナリじゃん? したら、いつの間にか
"ヤリまん"とか言われだしてさ・・。」

「そう・・・。」


例えば、胸が大きいだけで
そう言われるコもいる。

くだらない男の妄想か思い込みか
女のコ達の妬みか。


「ある日急に、ハブかれだしてね、
後で知った理由が、人気の男子が
あたしを好きだって言ったらしくて?」

「それで・・。」

「もう泥棒猫扱いだよ・・。でも、
コユキだけは普通に接してくれててさ
お陰で彼女もイジメられ始めてた。」

「・・・・!」

「当時ね、悪い遊びが流行ってて・・
体の小さなあの子はカッコウのマトに
なっちゃったんだ、あたしのせいで。」


そのタチの悪い遊びは、
彼女が居ない時を狙って企てられた。

女子ばかりが寄ってたかって
1人のターゲットを襲い、
服を男子の前で剥ぎ取るんだそうだ・・。

誰かがエジキになる度に喜ぶ男達。

"おい、次は倉持だってよ!"


「その時ね、隣のクラスだった江崎が
飛び込んで来て何人かビンタしたって。
よっぽど腹立ったんだろうと思うよ・・。」


そうか、三池さん以外の
三人は同じ中学だったんだ。

ワルだけど気が優しい彼は
障害者学級をたまに手伝ってた。

そこで古幸さんとも仲良くなったんだ。


「大人しいコユキと江崎が付き合ってる
って噂がたって、それからはあたしも
彼女も扱いが突然変わってさ・・ふふ。」


そんな事だけで態度を変えるなんて
上辺だけの付き合いに嫌気も差しただろう。


「コユキだけは違うんだよ。
他のくだらないメス豚どもとはさ。」


鬼無さんはキッと僕を見て言った。


「・・早くして・・!」

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