ダカラ、my girl♥
コールする携帯電話・・
彼女にはロフトに上がって貰ってた。


『・・・はい。』

「・・古幸さん? さっきは有難う。」

『ううん・・そんな・・。』


沈黙は僕への疑念を抱いてる証拠。

あの状況じゃ
誤解されても仕方ない。

"実はこう言う事だったんだ"と
彼女に説明するのは簡単なこと。

だけどその言い訳は全て
"自惚れ"として成り立ってしまう。

そうじゃない、それは嫌だった。

だから少しだけ、腹をくくる事にした。
そしてとうとう僕から沈黙を破ったんだ。

本当はこんな事態の後で
他に女の子が居て・・しかも電話で。

言うべきじゃないのかも知れない。

だけどもう、
言いたい気持ちを抑えられなかった。


「今ね・・好きな人がいるんだ。」

『え・・・。』


消えそうな彼女の声に僕は正直慌てて
直ぐに次の言葉を捜して繋いだ。


「でもね? 告白しようものなら絶対、
その彼女は僕に聞いてくると思うんだ。
"どんな所が気に入ってくれたの?"って。」

『・・・・・!』

「だから僕はその時の為に
ずっと答えを掻き集めてた・・。」

『・・・。』

「でも今日、鬼無さんからそのコの事を
聞いて・・もう好きじゃなくなったんだ。」


ボカっっ!!

上から飛んできた枕が僕の頭に命中する。
痛い声を殺して見上げた。

"バカか、アンタは!?"

そう怒った顔の鬼無さんの口パク。
無視して電話の声だけに集中した。


『あ・・・の・・じゃぁ、もう・・。』


震えてる声に鼻をグズル音がする。

ごめんね、古幸さん。
僕も今、とても怖いんだ。

全財産を掛けて、
最後のルーレットに挑む様な気持ち。

ジッとして居られなくてイスを立った。


「・・聞いて、古幸さん。」

『ううん・・もう、いい・・。』

「ダメだ、切らないで・・!」



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