ダカラ、my girl♥
Ⅷ,shade
ガシャ! ばたん・・!

電話向こうからした激しい音。

"切らないで"

それが最後に聞こえた。
まだ文句があったのだろうか。

粟国くんがとても冷静に・・
残酷なことを言うから

それ以上、聞いていられずに
携帯を閉じたのだ。

( おでこにキスしただけで
調子にのった私がウザかったんだ )

だから面倒になって、わざわざ電話を?

たった三時間の間に起こった
天国と地獄のような出来事を
思い出しながら

後からあとから出てくる
涙と鼻水をテッシュで押さえてる。

やっぱり、私は彼にとって
友達と言うよりペット的存在なのか。

余計な事をして、
鬼無さんとの時間を台無しにされて
怒ったんだ・・。

イジメに合ってた事もバラされて
もう嫌われたに違いない。

イチゴなんて
持って行かなきゃ良かった・・。

( そしたら
明日の朝も普通に過ごせたのに )

ほんのちょっと、
夢を見ただけにすぎない。

彼は気まぐれで
私に構っただけだったのだ。

そう思うと、余計に涙が
ぼろっ、ぼろっ・・と落ちて行く。

鬼無さんとメールでやり取りしてたから
私のこと粟国くんに筒抜けだね。

"あのコに言ったらオトコ盗られるよ?"

・・そうじゃないと思ってたけど
本当はそうなのかな。

騙されたのかな?
でも、騙すよりずっとマシだよ。

かっこ悪くて、恥ずかしいけど・・。


「・・・・!」


携帯が布団の上、震えて鳴リ出した。

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