ダカラ、my girl♥
「う、ウン! 」


私がアセるまでもなく、この咳払いは
目を瞑ってても解る母の鬼ババ・モード。


「冗談だってば・・!
粟国さん、行きましょうかっ!」


トントン・・と階段を降りていく音。


「いい子じゃない。」

「・・・・。」

「ベルが鳴って・・出て行ったらね?
彼、腰を90度折って待ってたんだから。」


"夜分にすみません"

"どうしたの?"

"・・・・、
「仲直りは美味しい料理が冷めないうちに」"

"・・・・キニイッタ!  お入り。"

"恩にきます・・!"


「家訓なんだって。ふふっ・・あー、
今時いないわねぇ? あんな男の子も。」


クスクスと笑いながら出て行く母。

狸寝入り、バレてたのか・・。


「・・・・。」


彼が座ってたイスにさっきの包み。
開けてみるとリボンがついていた。

可愛い・・紺色のバックパック。


「・・・誤解・・だったんだ。」


やましい事がないから
堂々と私達の前で電話をしてた。


( 鬼無さんも気を悪くしたろうな )


本当は彼女自身、
中学で言われていた事に
相当傷ついていたから・・。

"ごめんなさい"

携帯を手に取り、メールを打つ。

もしかしたら許してくれないかも・・。

すると、そんな心配をよそに
直ぐ返事が帰ってきて驚いてしまう。


"こっちこそゴメン。(*_ _)人"

件名を見て
私もホッと胸を撫で下ろすのだ。

それにしても凄い早打ち。

もうこんなに
ツラツラと文字が並んで語ってる。

彼が言い訳しなかったコトを。
そして、予想しなかった一言を。


"学校、また行こうかな・・。"

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