ダカラ、my girl♥
身の詰まってそうなレタスを手に、
振り返った僕が見たものは。

背伸びをして試食を食い入る様に
覗き込む女は・・さっきの女子だ。

財布忘れたんじゃなかったの?

近くで見ると白桃みたいな色の肌、
肌荒れがスゴかった。

僕が驚きの声を上げたのにまるで
聞こえてない、見えてない。

新発売のドレッシングのボトルを手に
彼女は裏のラベルをチェックしている。


「ご試食・・。」

「・・・・いえっ。」

マネキンさんの誘いにも手のひらで
お断りして彼女はレジに向かった。

彼女のカゴにはヨーグルト、
豆腐、刺身こんにゃく・・

何つくる気だ?

想像力を掻き立てられながら
僕もレタスだけ持って彼女の横へ並ぶ。


「ありがとうございました」

店を出ると女子は駅の方角へ向いた。

もうそろそろ陽が落ちきる中

同じ方向の彼女の後ろ姿を
何気に見ながら後方を歩いてた。

気のせいか・・フラついてる様な。

それよりも気になるのは
彼女の左側の靴紐。

解けかけて引きずっている。



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