ダカラ、my girl♥
「じゃ・・あの・・粟国くん、
・・・・・喧嘩、しないでね・・?」

強引な食事会を終えて
彼女を家まで送り届けたんだ。

「・・・努力する。」


来なくてもいい、オマケ付きで。


「まだまだだなぁ・・見本を見せてやる。
オヤスミのキスはこぅ、イッタい!」

「・・・あ・・。(・・;)」


尻をギャ~ッと捻りにぎッ。

ヤツはピョンと飛びあがって、
ご大層なオーバーリアクションだ。


「大丈夫・・努力するから。(-"-;)
じゃ・・オヤスミ。」

「ええ・・。」


ふてぇ外人だ・・まったく。
油断も隙も・・

「コユチャン、A domani!」

「"明日ね"は言い間違いだよな・・?」

「ブォ・・Buona notte!(おやすみ!)」

・・ありゃしない。

結局、図々しく一晩泊めてくれだとか・・

古幸さんがお寿司食べる所かあまりに
ハラハラした顔で僕を見てたもんだから。


「・・・今日一日だけだからな。」

「判ってるよ。・・なぁ?」

「?」

「お前にしちゃ上出来なコだな。」

「・・何だよそれ。」


父はクスと笑って東京の曇った
夜空を見上げてる。


「部屋に入ろうとするとさ・・一生懸命
腕を張って俺を食い止めるんだ・・でな?
父さん、彼女に小指を突き出された。」


"お父さんだって言うなら、
父親らしく・・ちゃんと息子として
接してあげてくれますか・・!?"


「・・・!」

「つい指きりしちゃったんだ。」


押し切られた訳でもなく・・
彼女はそれを約束させてから?

「・・・。」

要らぬ心配をさせてしまって
男としては恥ずかしい想いだ・・。


「日本のオンナノコ、サイコーだ・・。」

「それ、母さんに言ってやれよ。」

「言ってるさ! 会う度に。」

「ベッドの中でだろ。」

「でなきゃドコで言うんだ? お前は?」

「ウルサイ。」


根本的に間違ってると思う、この男。

こんなヤツにいらんコトを言うと
何をツツかれるか予想は付く。

僕は視線を反らして
眼鏡を指で押し上げてしまったんだ。


「・・嘘だろ?」


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