ダカラ、my girl♥
「遠慮してるだけじゃなかったの?」

無視。・・僕はサッサと家路を急いだ。

それを追う様に
ロン毛のイイ歳した濃いおっさんが
横スキップで着いてくるのがウザッ・・。


「ふーん・・、ミドル・スクールじゃ
"天然プレイボーイ"と言われた・・。」

「失礼にもほどがある。
彼女に言ったら縁ギリ覚悟しろ。」


・・良く知りもしないだろうがっ。

クソ親父・・朝一番に追い出してやる。


「・・あの子とは連絡取ってるの?」

「・・・・。」

「聞いてるさ。そのぐらいはね。」

「・・・まさか。」


母が相談したんだろう。

もう思い出したくもない話だ・・。


「学校はドコも同じかと思いもしたけど
今は・・いい友達に恵まれてる。」

「そか・・。」


指きりしただけの事はあるじゃないか。

それ以上言ったら、古幸さんの願いも
ブッ飛ぶところだった・・。

その事でアンタに感謝するとしたら・・
空手道場に通わせて貰ったこと位だな。


「ひとつ訊ねておくけど"意固地"で
日本に居たい訳じゃないよね?」

「アンタの息子は
マゾじゃないから安心してくれ。」


・・それは僕も最近知った。逆だ。

父は軽く相槌をうつと
すうと大きく息を吐くんだ。


「最近・・母さんと会ったか?」

「ああ・・何でだよ?」

「少し痩せたと思わない?」

「・・・本当に心配してンの?」


初めてこんな事を聞かれた。

親父が心配する必要ないぐらい、
母が元気すぎたせいもあったけど。


「呆れるね、誰のせいだよ?」


一瞬驚いたが直ぐ
乾いた笑いを浮かべてやった。

< 94 / 114 >

この作品をシェア

pagetop