ダカラ、my girl♥
「久しぶり・・今日はサボり・・?」
やっぱりそうだ。
放課後、図書室で本を借りて
時間を潰して待ってた午後二時半。
呼び出されて正門で
待っていたのは知った女の子だ。
当時と言っても四年前と同じく・・
苦労が絶えないのかヤセ過ぎている。
たまたま今日は古幸さんが遠足の
実行委員会なので助かったが・・。
「また背が伸びたのね・・粟国くん。」
「成長期だったから・・今日は何の用?」
巻き髪緩やかなロングヘアを垂らすと
両手にバッグの取っ手を握り締めて
視線を下ろしてる。
彼女とベンチまで歩き出せば
クッと引っかかりを感じたのである。
「マリエさん・・?」
彼女が俯いたまま、
僕のシャツを片手に握ってたんだ。
そして震える小声で言った。
「忠告・・しに来ただけなの。
気をつけて・・ハルトはもう知ってる・・。」
「そう・・出て来たんだね?」
「・・・うん・・だから・・・。」
「・・・・・有難う、気を付けるよ。」
ギュッと握った手も強張ってて外れない。
立ったまま根気良く指一本一本、
彼女の指を外し始めた・・。
「どうして・・学校の男の子達に
連絡を取ったりしたの・・!?」
「・・・・そこから漏れたのか。」
「ハルトが怖いからって・・
皆、すんなり白状しちゃったのよ?
なんで! 帰って来たりしたの・・!」
「落ち着いて、マリエさん・・!」
泣いてすがり付く彼女は突然、
我に返ったかにパッと離れてる。
彼女も・・ずっと怯えて
ヤツの側にいるんだろうな・・。
「僕の方は大丈夫だから。
ヤツも今まで通りには動けない。」
"2号観察"というヤツで
ハルトの場合、
二十歳までは保護観察が付くからだ。
「どうしてもまだ・・離れられない・・?」
「うっ・・、私、まだ、好き、なの・・
ゴメンなさい・・まだ、好きなの・・っ。」
うわぁぁっ・・耐え切れずに声をあげ
両手で顔を覆い、立ったまま泣き続けてる。
醒めない限り・・、
彼女の"幸福な痛み"は止め様が無い。
僕はやり切れない気持ちで
彼女の背中を抱いて叩くしかなかった。
やっぱりそうだ。
放課後、図書室で本を借りて
時間を潰して待ってた午後二時半。
呼び出されて正門で
待っていたのは知った女の子だ。
当時と言っても四年前と同じく・・
苦労が絶えないのかヤセ過ぎている。
たまたま今日は古幸さんが遠足の
実行委員会なので助かったが・・。
「また背が伸びたのね・・粟国くん。」
「成長期だったから・・今日は何の用?」
巻き髪緩やかなロングヘアを垂らすと
両手にバッグの取っ手を握り締めて
視線を下ろしてる。
彼女とベンチまで歩き出せば
クッと引っかかりを感じたのである。
「マリエさん・・?」
彼女が俯いたまま、
僕のシャツを片手に握ってたんだ。
そして震える小声で言った。
「忠告・・しに来ただけなの。
気をつけて・・ハルトはもう知ってる・・。」
「そう・・出て来たんだね?」
「・・・うん・・だから・・・。」
「・・・・・有難う、気を付けるよ。」
ギュッと握った手も強張ってて外れない。
立ったまま根気良く指一本一本、
彼女の指を外し始めた・・。
「どうして・・学校の男の子達に
連絡を取ったりしたの・・!?」
「・・・・そこから漏れたのか。」
「ハルトが怖いからって・・
皆、すんなり白状しちゃったのよ?
なんで! 帰って来たりしたの・・!」
「落ち着いて、マリエさん・・!」
泣いてすがり付く彼女は突然、
我に返ったかにパッと離れてる。
彼女も・・ずっと怯えて
ヤツの側にいるんだろうな・・。
「僕の方は大丈夫だから。
ヤツも今まで通りには動けない。」
"2号観察"というヤツで
ハルトの場合、
二十歳までは保護観察が付くからだ。
「どうしてもまだ・・離れられない・・?」
「うっ・・、私、まだ、好き、なの・・
ゴメンなさい・・まだ、好きなの・・っ。」
うわぁぁっ・・耐え切れずに声をあげ
両手で顔を覆い、立ったまま泣き続けてる。
醒めない限り・・、
彼女の"幸福な痛み"は止め様が無い。
僕はやり切れない気持ちで
彼女の背中を抱いて叩くしかなかった。