blue part2
「全くアルは…。」







ある意味微笑ましい兄弟だ。








「ナオは風邪はどう?」






「大分よくなりました。」







ヨーリはベッドに座り、私の額に手を当てた。







「少しは下がったかな。顔色もよくなってるしね。」








その言葉が聞けてホッとした。







「あんた、アルに懐かれたね。」







「懐かれたって…。」





犬じゃないんだから。






「珍しい事よ。あの子人見知りするから。」






私の額にあった手は頭の方にいき撫でた。






「こんな短距間で…。ナオの何か惹かれたのかな。」







惹かれた。






私もだ。






お互いに惹かれたのかな?







雨の音はしていない。



静かで赤い顔がひんやりとした空気に冷やされる。







惹かれた部分とは何だろうー…?










「ナオ。明日お家に送るね。」







「えっ…。」








「学校もあるだろうし、心配している人だっているわ。」








心配している人…。








青は…心配しているかな。
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