blue part2
「おかえりなさいオジサン。」






この人がアルとヨーリと暮らしているオジサンらしい。







おじいさんのほうが似合う気がしたけど、身長が高くまだ若々しい雰囲気を持っていた。









「お嬢さんの名前聞いてもいいかな?」









スラスラな日本語。




映画の吹き替えみたいだ。






「尚です。2週間お世話になります。」




頭を下げるとアルも一緒に下げる形になった。






「ナオか…。ナオもオジサンって呼びなさい。この家にいる限りそれは決まりだからね。」










ちょっと戸惑ってしまう自分がいる。







それが家族になる証みたいで…。







私にはよく分からない
世界。






すぐには頷けなかった。



アルが私の手に細いキレイな手を絡めてくる。






「はい…オジサン。」



オジサンとヨーリは優しく頷いた。




よく分からない安心感にあふれ、バレないように息をつく。





アルは分かったのか耳元で小さく「大丈夫?」と問いかけてくる。





手を絡め返して頭をアルに預ける。








大丈夫だよ…アル
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