Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

画してクスリンジャーは巷に登場するや否や、大人気となった。

オマケという希少価値もマニア熱を煽ったのかもしれない。

そして今やキャラを元にマンガが作られ知名度はさらに高まっている有様だ。

このマンガも結構マニアックで。

話の大まかな筋としては、町を破壊する怪獣の代わりに病気が現れ、須藤率いるクスリンジャー隊員は病気に倒れる人々を救護し、その傍らで病原体と闘うという戦闘モノの王道だけども。


『抗ヒスタミン・ビームが効かない!』

『ウイルスが検出されたわ!これはインフルエンザよ!』

『ではリン酸オセタミビル弾をお見舞いしてやるぜ。』


そんな会話が熱っぽく叫ばれまくる。

その辺りはさて置き、病気の際の的確な対処法なども披露されており、子供を持つ母親のハートをもがっちり掴んだようだ。

僕が若手ながらも会社でそれなりの地位を確立しているのもそういったヒットの賜物だろう。

その恩恵は有り難く受け取るけども、そもそもあのキャラの著作権は久寿軒さんにあるものだし、今更僕には何ら無関係なものだ。

…大体、須藤似のキャラに特別な思い入れも感慨も持ち得ません。

その久寿軒さんがこのタイミングで訪れるとしたら、大体想像は付くわけで…。


「『クスリンジャー』フィギアの御依頼だ。」


すっと目の前に書類が置かれた。


パッケージに付いている応募券を送って、抽選で×名様にクスリンジャーフィギアプレゼント!

この際何名にプレゼントかはどうでもいい。

問題は何体の型を作らなきゃいけないか、だ。

クスリンジャーは全部で五人。

毒にも薬にもなるという特性を生かして、悪なのか正義なのか分からない謎のレンジャーが+二人。

デイジーズという悪の組織…というか病気集団…の親玉が一人。

…総勢八体……。

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