Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
必死に僕を宥めようと言葉を尽くしてくれる美久に小さく溜息を吐く。
「…いいよ。美久が僕の事をそういう対象に見れなくても。だから…」
そう言いながらゆっくりと肩越しから顔を上げた美久を見詰める。
戸惑うようにゆらゆら揺れる瞳はそれでも逃げる事無く僕を見つめ返す。
頬をうっすらと赤くして、背の低い分だけ上目遣いになる美久は、こんな時だけど、もう抱き潰したくなるほどに可愛いんだから。
「一番近くに居る事が幸せだって言うなら、僕と結婚して。僕はこの先も美久の嫌がる事は絶対しないって誓う。美久の心が僕になくてもいい。だから…ずっと一緒だって約束を頂戴?」
僕を異性として見られなくてもイイから。
誰かの物にはならないで。
ずっと特別でいさせて。傍に居させて。
強烈な独占欲に当てられたように、ただ唖然と僕を見詰めていた美久は、やがて寝言みたいに「…ぅ、ん」と頷いた。