Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
01☩side美久☩
☩ ☩ ☩
悠里が、好き。
今までどうしてこんな簡単な事に気が付かなかったんだろう。
あの後、一緒にご飯を食べて「じゃ今日はもう遅いから。」って言って悠里は帰って行った。
いつもと同じ。
だけど自分の気持ちを自覚したからか、離れるのはなんか寂しくて。
早く明日になぁれ。
早く悠里に会いたい―――………
「く………み……美久。起きて。」
そんな声に目を開けると、柔らかな笑顔の悠里が覗きこんでいた。
あれ…夢?
未だ寝ぼけ眼のまま起き上がった私を悠里がよしよしと撫でる。
「ごめんね?今日遅番だし、本当はもうちょっと寝ていられるのに起しちゃって。」
時計を見ると朝の七時。
「今からね、仕事の前に一緒に行って欲しい所があるんだ。」
ワケが分からないながらも悠里に急かされ、私は手早く身支度を整え、用意されていたご飯を食べて、外へ出た。
「あれ?そーいえば悠里お仕事は?」
「この間休出したからその代休。」
「そーなんだぁ。」
にっこにこ顔の悠里と相変わらず手を繋いで、プチ電車の旅。
そして辿りついたのは
「……家だよね?」