Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
唖然としている私に気付いた笑子ママが悪戯っ子みたいに教えてくれた。
「実は悠里ってばね、もう何年か前に既に籍から抜けてるのよ。」
「……え?」
一瞬ワケが分からなくなった。
だってそれって…ホントは大分前から姉弟じゃなかったってコトでしょ?
無意識にも私は姉弟という関係に絶対の安心感を持ってたみたいだ。
どこの誰と疎遠になっても悠里は弟だから一生切っても切れない関係だ、なんて。
本当はそんな絆どこにもなかったのに。
「な、なんで?なんで悠里、そんなことしたの?」
勝手に赤の他人になってしまっていた悠里に腹が立って、それ以上に不安になって隣の悠里に詰め寄る。
悠里はちょっと困った顔をして。
私を宥めたのはパパだった。
「美久ちゃん、悠里クンをそんなに責めてくれるなよ。悠里クンは美久ちゃんにとって弟じゃなくて一人の男でいたかったんだよ。」