Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
俯いていた私の顔を悠里が長身を屈めて不安そうに覗きこむ。
「ごめんね?勝手に籍抜いて。美久を悲しませたかったわけじゃないんだけど…」
はっ!
違う違う。
そりゃいきなり姉弟じゃないって知って驚いたし不安になっちゃったけど、今落ち込んでるのはそうじゃなくて。
ぶるぶると首を振って全力で否定したのは伝わったみたいで悠里の顔がほっと緩む。
「じゃあ、また僕を柏木の家族にしてくれる?今度は美久の力で。」
「……うんっ!!」
今度は弟としてじゃなく、旦那様として。
全力で頷いた私に悠里は眩しいくらいの笑顔を浮かべた。
悠里はとてもしっかり者…というか用意周到?
いつ用意したのか婚姻届を持っていて、当人二人と証人欄には両親の記名を終え、これまた抜かりなく用意された印鑑も押した。
「善は急げ。このまま提出しに行っちゃおうか。」
実家を出て帰る道すがら。
悠里が鼻歌みたいに言った。
結婚…本当にするんだ、悠里と。
急過ぎてまだ全然実感が湧かないけど、なんか嬉しいなぁ~…………
「て、ちょ、…ちょっと待ってっ!!ダメっ、だめだめ~!!」