Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩




☩ ☩ ☩


悠里にはそう言ったものの緊張するぅ~……。

午後から仕事に出て、木戸さんにメールを送ると今日に限っては『店に顔出す予定だったから。』と夕刻の休憩に会う事になった。

ぅぅ…これまで会いたいと思っても擦れ違ってばっかりだったのに、こんな時に限ってすんなり会えるんだから。

休憩時間になって屋上で待っていると先に店で仕事を終えた木戸さんが駆け足で現れた。


「悪い。休憩短いのに待たせたか。」


その優しさが今や非常に心苦しい…。

私は思い切って頭を下げて勢いで言った。


「ゴメンナサイッ!!スミマセンッ!!私、悠里と結婚します!!!」

「……………は?」

「………………。」


――――間違えたぁぁ~!!

一から十まで説明する事を何度もおさらいしていて、戻る所を間違えて、最後の言おうか言わまいか迷っていたセリフから言ってしまった。

でも、もう後戻りはできない。


「ご、めんなさい。私、悠里が好きなんです。だからもう木戸さんとはお付き合いできませ―――」

「嫌だ。」



………ぅ゛。

< 132 / 333 >

この作品をシェア

pagetop