Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
何も知らない少女のように純真で、真っすぐで可愛い女性(ヒト)
触れてみたい、自分の物にしたいと思った。
けれど、少し近づけばすぐに分かった。
その綺麗で愛らしいお人形さんは王子様のとても大切な大切な宝物。
彼女が憂いもなく無垢なままでいられるのは彼がどれほども細心の注意を払って尽力して守り抜いているからだ。
そして彼女もそれを望んでいる。
そんな二人の間を裂こうなど無謀の極みだ。
「だけど……ちょっとだけ夢みたんだ。」
手に入るんじゃないかと。
木戸さんが自嘲気味に小さく呟いた言葉は誰の耳にも――勿論私の耳にも届く事無く青い空に解けて消えた。