Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
興味にそそられてきょろきょろと室内を見回していた私は開けっぱなしの別室に目を止めて暫しフリーズしてしまった。
見覚えのある白いローチェスト……私の部屋にあったのにソックリ。
「ふふ。ここは美久の個室ね。」
「……………………………ふへっ!?わ、私の部屋!?って、えぇっ!?」
耳元で囁く笑声に私は飛び跳ね、後ろの悠里を振り返る。
「えっ?へ?はいっ!?待って?こ、ここ一体、誰の……っ。」
「誰のって。僕と美久の新居だよね。」
「し、しん……っ!?」
「だって結婚したんだから夫婦が一緒に住むのは当然でしょ?」
今後の生活を考えた有意義なお金の使い道でしょ、と悠里はさも当然のように微笑むけども。
「あ。家電とか重複する物は勝手に処分しちゃったけど、思い入れのある物とかあった?」
「へ?ううん。別にナイけど…」
「勝手に部屋のコーデしちゃったけど美久に希望があれば替えるよ?」
「や、私センスないし。聞かれても多分悠里にお任せになっちゃってたと思うし…。」
この間の部屋だって殆ど悠里にまかせっきりだもの…。
「じゃ、問題ないよね。」と微笑む悠里に、私としては途方に暮れる意外にナイ。
悠里っ……行動力あり過ぎだよーっ。