Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩side story☩02☩
☩ ☩ ☩
☩☩One day☩☩
☩負傷の訳☩
☩side久保塚☩
☩ ☩ ☩
「久保塚、その手どーした。」
所は『ASTRO』。
共に書類片手に作業室を訪れた須藤と幸村が、新人久保塚に訪ねた。
彼の手首にはシップが包帯で巻かれている。
「ばっかだなぁ~。そんなんなる前にソープ行けっつーの。このチェリーボーイが。」
「…かなり余計なお世話ですよ、幸村さん。大体、手首痛める自慰って、どんな想像してるんすかソレ。」
失礼極まりない幸村に遺憾の意を表明しながら、久保塚は負傷の経緯について話し始めた。
「実は昨日―――」
☩ ☩ ☩
仕事を終えて帰ろうとした久保塚は、不図、悠里の机に視線を止めた。
悠里は翌日無体な幸村さんの命により朝から取引先に顔を出してからの出社予定だ。
机に置いてあるのはそこで必要な書類の筈で。
悠里は既に帰宅している。
そりゃもう終業を待ち構えるようにして颯爽と帰って行った。
はぁ、仕方ない。届けるか…。
それで久保塚は会社の住所録から悠里の住所を調べ、彼の家へ向かった。