Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「決心が鈍らぬよう、そのまま着ていきなさい。」
「て、今夜!?」
素っ頓狂に聞き返す私に二人は重々しく頷く。
いきなり、今夜!?
悠里を押し倒すのっ?
無理無理無理っ!
「無理っ!だ、だって、今日悠里遅くなるって言ってたもん。同僚と飲みに行くって言ってたしっ!」
麗那さんがピクリと眉を動かし「ああ、それで…」 とかなんとか呟いていたケド、あたふたしていた私は聞き流した。
「そんなもん帰って来た所を襲えばイイだけの話でしょ。案外酒の勢いでコロッといっちゃうんじゃない?」
「むりーっ。」
そんな私達のやり取りを眺めて稲穂さんが何気なく言い放ったであろう言葉が人知れず私の胸を突き刺した。
☩ ☩ ☩
『ともかく決戦は今夜よっ!!変更は一切認めない。』
私にそう言いつけて終業時間と共に帰って行った麗那さん。
あ~う~…。
そのため仕事にちっとも身の入らない私。
「き、休憩入ります…」
夕刻になり店から抜けだした。
一先ず落ちつこう。