Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
03☩side悠里☩
☩ ☩ ☩
「いい加減溜息は止めてくれ。酒が不味くなる。」
隣に座るクールガイが仏頂面で僕を糾弾する。
金曜日のアフターファイブ。
僕は須藤を誘って居酒屋へ来ていた。
「…ったく。俺だって暇じゃないんだぞ。それをオマエが珍しく誘うから付き合ってやっているってのに…。」
ぶつぶつ文句を言いながら焼酎を飲みほした須藤が鬱陶しそうな視線を僕に寄こす。
「で?幸せボケの新婚のくせになんだってこんな所でぐずぐずしてんだ。いつもみたいにさっさと帰ればいいだろうが。」
僕はグラスを置いて深い溜息と共に
「………だって辛くて。」
と零して項垂れた。