Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「き、今日っ、綺麗な女の人が来て言ったの!私と悠里は結婚してないって!悠里は私が大切だけどそれは恋愛じゃないって…!!悠里はただずっと傍にいてくれる人が欲しいだけなんだって。だから何にもしないの?私は悠里にとって何なの?」
応えて、悠里。
心臓がぎしぎしと痛い。
答えを聞くのは怖い。
聞いた答えが自分の不本意なものだったとしたら、私はどうするつもりだろう。
どうしたらいいだろう。
だけど知らないままじゃ、先へ進めないもの。
だから本当の事を教えて。
詰め寄る私をじっと見詰めていた悠里は、観念したかのように息を吐き「ちょっとだけ待ってて」と言って立ち上がった。
自分の寝室へ行った悠里は何かを持って戻ってきた。
折りたたみのA4サイズの…メニュー表?
ううん。
革製のそれは証書入れとか…、メニュー表なんかより大分高級そう。
「これ、僕の宝物。」
私の前に立て膝を突き、悠里が面映げに開いて見せてくれた物に私は目を見開く。
―――婚姻届け。
ここにあるって事は、やっぱり出してなかったんだ。
でも悠里の宝物、………って、
どう言う事?