Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
05☩side美久☩
☩ ☩ ☩
ほわほわと温かくて安心出来るものに包まれている感覚と、甘くうっとりするような音。
音…それは音楽?
ううん。
誰かの声。
歌うように流暢なリズムで奏でられるのは私の一番好きな声―――
「え?…だって、そういうつもりで嗾けたんですよね?…皆さんのお心遣いをしっかり受け取った結果なんですから…ふふ。じゃ、そういう事で宜しくお願い致します。」
ボンヤリ目を開けると、携帯を切る悠里が視界に入る。
私と目が合ってふわりと甘い笑顔を浮かべる。
カーテンの隙間から差し込む陽射しをバックにして、それはまるで大聖堂に描かれた天使みたいに綺麗――――………
陽 射 し ?
「おはよう美
「きゃぁぁあ!!今何時!?遅刻―――っ!!」
飛び起きて、上体を持ち上げた所でばふん、とベッドに逆戻り。
…あれれ?
力が入らない。
私が起き上がった拍子に私の頭で顎を打ち付けたらしく隣で顎を抑えて悶絶していた悠里が非難がましい涙目を向ける。
「…いてて。おはよう。僕に頭突きして少しは目が覚めた?」
「ぅ゛…ご、ごめんね、悠里。おはよ………」
申し訳なくて縮こまりながらも挨拶を交わしている間に、じわじわと状況を思い出す。
そ、そか…………
昨日、悠里とその…し、シちゃったんだ。