Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「久保塚の代わりにオマエがちゃーんと仕事してくれるんだから、俺は何も言わんさ。」
普段の二倍速で働く僕に須藤はほくそ笑む。
そんな彼に一発爆弾を落としてやりたいところだけど……
言えないねぇ。
ゴメンね、須藤クン。
君が怒り狂いそうだから、まだ伝えてナイ事実があるんだヨ。
久保塚君に探して貰って気になった物と言えば―――…
『私に会いに来てね♪』と言う文言と共に無尽蔵に載せられた住所。
美久の職場である『NANATORI』から、割と有名な待ち合わせスポットやら、ゲームセンターなど……
家の住所が載ってないので一先ず安心しているけど。
「ネーチャンは一人で大丈夫なのか?」
「うん。心配だけどソッチは多分心配いらない。家から出ないように、居留守を使うようにって言っておいたから。……ま、そうじゃなくても今日はベッドから起き上がる事も出来ないだろうし。」
クスリと笑ってそう言えば、PCを打つ手を止めないままの久保塚君から「…さいて~」と小さなツッコミが入れられた。
そんな会話の後、僕の携帯が鳴った。
出てみれば、美久の職場のバイト君だった。
『スミマセン川端康実っすが。万が一の時はコチラに連絡しろって麗那さんから聞いたんっすけど―――』