Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
しれっとしている僕に須藤が痺れを切らしたように身を翻す。
「ちょっとどこ行くの。」
「ダマレ!オマエにはもう頼らん。俺が探してくる。」
「まぁ、そう言わずちょっと待ってって―――」
言っている間にメールの着信音が鳴った。
「有能な社員さんが写メ撮っておいてくれたらしいから、それを確認してからでも遅くは無いでしょ。」
飛びつく勢いで戻ってきた須藤と興味津々な久保塚君と三人で携帯画面を覗き込む。
「……この人は―――」
☩ ☩ ☩
差し込む光が西陽に変わりつつある廊下。
向かいから専務と共に久寿軒さんが歩いてくる。
僕を見付けて浮かべられた笑顔に内心冷やかな感情を抱きながらも、専務の手前形ばかりの笑顔を取り繕う。