Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩


「ほら悠里、ガンバって歩いて~。」

「ん~………」


首に絡みついてしなだれかかっている悠里を叱咤してなんとかベッドまで連れてきた。

あ、シマッタ。
悠里をベッドに寝かせたら私の寝る場所がなくなっちゃうんだった。
…はぁ、仕方ないか。

ベッドに寝かせた悠里を改めて眺めて、クスリと笑みが零れる。

いつもしっかりしてる悠里がこんなグダグダなのは珍しくて…ちょっと可愛いよね。

それにしても我が弟ながら綺麗な顔。

肌なんか白くてツルツルだし、睫毛長い……羨ましい。


「お水呑む?」

「ん………」


悠里の生返事を聞いて、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを持ってくる。


「ほら悠里起きて。お水呑んで―――」


ん゛~という唸り声と一緒に長い睫毛がほんの少し持ち上がる。


「ひゃっ…悠―――」


私に向かって伸ばされた手は差し出したペットボトルを無視して、私の手首を引っ張った。

もう、酔っ払い。

そんな非難めいたセリフは口に出る事もなく呑みこまれた。

悠里の口の中に。


…へ?

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