Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩side story☩03☩
☩ ☩ ☩
☩負傷の訳☩
☩side悠里☩
☩ ☩ ☩
所は『ASTRO』
「おはようございます。」
内勤はカジュアルオッケーのこの会社。
パーカーにチノパンと言うラフな格好にも関わらず、チョウチンブルマにマント姿の碧眼王子に引けを取らないくらい王子様然と見える男の爽やかな出社だ。
ちなみにここはフレックス制で、本日の王子様は午前九時と言うやや遅目の登場である。
理由は言わずもがな。
美久が遅番だから、だろう。
「「「おはよう」」」
対する須藤、幸村、久保塚は既に八時には出社している。
須藤に至っては一仕事どころか二仕事くらい終わらせているかもしれない。
一体いつ出社したんだ、暇人め…。
須藤が悠里の手に目を留めて僅かに眉を顰めた。
「オマエ、その手、どーした。」
悠里の右手首に湿布が包帯で巻かれている。
仕事どーすんだ、と難色を示す三人を余所に悠里は隠しきれない笑みで相好を崩した。
「ああ。これね―――……」