Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「ん゛…お薬と、生理用品がもう無くなるから…買って来なくっちゃ、て…」
「僕が行くから美久は大人しく寝てて!」
「……や、でも。生理用品……」
言いにくそうにもごもご言う美久に悠里は毅然と胸を張る。
「別にそんな所に僕は男のプライドなんて賭けてません!」
というか美久が第一優先なんだから体裁悪いなんて考えない。
大体にして、体調が万全であろうと美久を一人で夜道に出すなんて選択肢は無い。
「う…うん。」
悠里の勢いに押し返されて美久はすごすごとソファーに戻った。
「ハイ出来た。じゃ、美久はこれ食べて、食べ終わったらベッドに行って温かくして寝てる事。……歯磨きは出来たらして欲しいけど…どうしても無理そうなら今日は免除してあげる。」
言いながら悠里はエプロンを外して、財布を持って家を飛び出した。
台風一過の如く悠里が飛び出していった後、美久は言いつけどおりうどんを食べ始めた。
あっさりした味付けながらも鳥の出汁が効いていてとっても美味しい。
食欲がなかったのに、ぺろりと平らげられた。
内側から温まったからか心なし体調不良も緩和されたみたい…?
これなら歯磨きも出来ない事もなかったが、免除と言われたからにはサボっちゃおう。
タオルケットを羽織ったままのそのそと寝室へ向かって歩き出した美久は部屋の前で足を止めた。
静かなリビングを振りかえり、くしゃりと顔を歪めた。