Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

悠里は最寄りのドラッグストアーで美久が普段好んで使っている銘柄の薬と生理用品をなんなく選び出し、ついでに喉越しの良いゼリーやヨーグルト、貧血回避にひじきやプルーン…

手早く卒なく買い物を終え、家路を急いだ。


「ただい……って、美久!?こんな所でなにやってんの!」


玄関のドアを開けた所で悠里はまたも素っ頓狂に叫んだ。

美久が玄関先で丸まっていたから。

タオルケットを頭から被った美久はそれはそれで思わず口元が緩んでしまう程可愛いけども……って、問題はそこじゃない。


「あーもーっ、ちゃんと寝ててって言ったのに……」


心配の分だけ少し非難めいた声を洩らし、うるうると涙を堪えている美久の顔を見るなりはっとした。

脇に手を差し込みタオルケット毎、その華奢な身体を抱き上げる。


「……そか。ごめんね?一人にしちゃって……寂しくなっちゃったんだよね。」


ぅ…と美久が声を詰まらせる。


「わ、私こそ…ごめんね?お、お姉ちゃんなのにお留守番もちゃんと出来ない……」

「そんな事ないよ。体調悪い時は誰だって心細くなるものだもの。」


項垂れる美久に知る由もないが、悠里の顔はとんっっっでもなく緩んでいた。


なんなのこの猛烈に可愛いヒトはっ。

寂しいからって体調も厭わずこんな所で待ってるなんて。

誰を…って。


誰でもないこの“僕”をっ!!

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