Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

どんなに好きと伝えても、身体を繋げても、悠里が満足する事なんてないの。

私を愛している限り。

離れれば途端に私を想い憂う。

私を中心に回る悠里の世界。

ずっと悠里が上手に隠してたから気付かなかったけど、お互いに全てを曝け出す関係になって知った。

心から渇仰出来る相手に出会える事。

それはまるで奇跡のようで、それ自体はとても素晴らしい事なのだと思う。

だけど悠里を見ていると時々疑問になる。

苦しい程の愛は果たして幸せ?

悠里は本当に幸せなの?

久寿軒さんが言っていた、姉弟の絆を愛情と錯覚してるだけだって。

だとしたら出会った事が間違いだったのかな。


「私じゃない誰かとなら平和で落ちついた幸せを得られるなら私は……」

「本気でそう思うのか?」


静かに、だけど強い口調に問われて私は膝の上に置いてあった手をぎゅっと握った。







「私は、悠里には幸せであって欲しい。」





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